シワ取りの仕組み
シワは年を取るにつれて増えてゆきます。
なぜシワができてしまうのか、また、どのようにすればシワをなくすことができるのでしょうか。
人生の年輪ともいわれるシワは、皮膚の下にある真皮層の内部が破壊されるために発生します。
コラーゲンが多く含まれる真皮層は弾力がある層になっていますが、この層が破壊されると皮膚の表面が波打ったような状態になります。
また、皮膚表面には網目状に走る無数の細い溝がありますが、これは皮溝と呼ばれます。
真皮層が破壊されて波打ってくると、皮溝が深くなっていきシワになっていきますが、この皮溝を浅くすることでシワ取りを行います。
皮膚は筋肉の運動に沿って伸びたり縮んだりします。
目や口周辺のシワは最も気になる部分ですが、この部分のシワは表情筋と呼ばれる顔面の筋肉によってできます。
普通にしているとシワが出ない人でも、笑ったときには目尻や口元のシワがでます。
加齢と共にこのシワは深くなり、表情筋に力を入れなくとも残るようになります。
シワ取りによって取ってしまいたいシワの最上位にくるものですが、表情が豊かであるほどできやすく、笑顔が多いほど横方向にシワができます。
シワを作らないように、と表情に乏しい人生を送ったのでは本末転倒ですので、多少の表情ジワは受け入れて、シワ取りはほどほどにしながら笑顔に満ちた人生を送る方が、充実した日々が過ごせるのではないでしょうか。
手術によるシワ取り
現在では、シワの手術はかつてそうであったよりも手軽で安全なものになりました。
顔の中でシワやたるみができやすい場所は、口のまわりや目元、首、頬などになりますが、どの場所も手術によってシワを取ることができます。
シワ取りの手術には入院の必要はなく、翌日からも人前に出ることができます。
たるんだ部分を切り取りますので手術の傷跡が残りますが、まつげの下や髪の中などの目立たない部分なので心配はいりません。
手術をした後の顔は、仰向けになって鏡をのぞき込んだときのような感じになります。
頬のシワや鼻の横のシワを取るには、耳の上の髪の生え際から耳の下までのたるんでいる皮膚を切除し、筋肉を斜めに引っ張り上げます。
目元や鼻の横のシワを取ってしまうのにはこれが一番で、皮膚だけを切り取ってシワを取り去るよりも、筋肉を斜め方向に引き上げた方が効果が長く続きます。
目の下のシワ取り手術の場合は、まつげの生え際の皮膚を少し切り取ります。
まぶたの下が皮下出血のように色がつきますが、一週間程度で消えてなくなります。
額に対してシワ取りを行うには皮膚を切り取って引っ張り上げるわけですが、皮膚の切り取りは髪の生え際よりも数センチ上で行われます。
額の皮膚は厚いので、ほとんど腫れがないことが利点です。
表在性筋膜に手を加えてたくし上げるような施術をする美容外科医もいます。
注射によるシワ取り
シワ対策の一つとして、注射によるシワ取りがあります。
皮膚の下に薬液を入れるのです。元々真皮層に存在するコラーゲン、ヒアルロン酸を皮膚に注入します。
シワの溝に注入してへこんだ部分を押し上げ、内側からシワ取りをします。
皮膚を冷却して極細の針で注入するので痛みは少なく、目尻や口元の小ジワ程度なら20分弱程度で手術は終わります。
コラーゲンは皮膚の中に吸収され、いずれは消滅してしまうため、定期的にシワ取り手術をしなければいれません。
子牛由来のコラーゲンをシワ取りに用いている美容外科が大多数です。
アレルギーテストが必要になりますので、シワ取り手術を受ける前に1ヶ月は経過を見なければなりません。
小鼻の脇から唇にかけてのほうれい線や、目の下にできるシワを取るためにヒアルロン酸を注入するのは、安全なシワ取り手術方法といえます。
人体にはヒアルロン酸が元来含まれており、真皮の下から皮膚を押し上げて、シワを消す役目を担っています。
ただし注射によって注入されたヒアルロン酸は、1年程度で分解されて肌に吸収され、シワ取りの効果がなくなってしまいます。
また、シワ消しにはボトックス注射という方法があります。
神経系に作用し、筋肉が皮膚を引っ張る力を弱めるのです。
ヒアルロン酸注入とボトックス注入をうまく併用することで、シワ消し効果が高まります。