粉瘤という脂肪の塊
脂肪の塊と聞いて、まず何を想像するでしょうか。
皮膚表面に現れる良性腫瘍の一つに粉瘤というものがあり、脂質が凝固することで発生しています。
粉瘤は誰でも一生の間に1個くらいはできるのではと思えるほど発生頻度の高い腫瘍です。
見つかったらすぐに取り除かなければ、というほど大変な症状ではなく、悪性腫瘍になることもありません。
とはいえ顔の粉瘤などを放置しておくと、邪魔に感じることもあります。
そのままでいるなら粉瘤には痛みはありませんが、細菌感染を起こすと痛みと腫れは深刻なものになります。
粉瘤の脂肪は感染しやすいのでいつまでも放置してはおけないでしょう。
大きくなってからの粉瘤が化膿すると痛みや腫れもひとしおですので、小さい粉瘤でも見つけたら早めに対処してください。
ただし、粉瘤は凝固した脂肪が薄い膜で覆われている状態です。
皮膚にくっついている膜も一緒に摘出しなければ再発してしまうので、気をつけましょう。
もしも感染や腫れさえ起きなければ、粉瘤を包む皮も比較的楽に取り除くことができます。
ただし被膜が非常に薄い場合には、被膜が破れて内容物が漏れ出すことがあるようです。
一旦細菌感染すると周囲の組織と癒着を起こすため、脂肪の塊よりも少し大きめに切開します。
すっかり粉瘤を取ってしまうためには、粉瘤の癒着した皮膚も含めて除去する必要があるのです。
脾粒腫という脂肪の塊
顔の特に目の周りなどにできる小さな脂肪の塊を、脾粒腫といいます。
思うように取れずにずっと付着したままということもありますが、気づくと取れているということもあります。
顔に溜まった脂質という点ではニキビに似ていますが、脾粒腫は毛穴の詰まりから引き起こされます。
まだ幼い頃から脾粒腫が確認できる子供もいますが、多くは30代を越えてから目につくようになるようです。
人によっては、ぷつぷつといくつも薄い褐色の粒子が並ぶこともありますが、首やあごに2ミリ程度のものができやすいです。
脾粒腫の中に入っているのは良性の凝固した脂肪で、元は皮膚です。
脾粒腫は、年齢を重ねても全く縁がない人もいれば、年齢を重ねる毎にたくさんできていくという人もいます。
歳月の経過と共に脾粒腫が育って目につきやすくなるような場合もありますが、元々人に感染するような類のものではありません。
治療を希望するなら皮膚科に行くといいでしょう。
予想外に簡単に取り除けます。スキンタッグという呼び方もあります。
体質を改善し代謝力をアップさせることで、脂肪が固まりにくくなるそうです。
ただし、代謝率のいい体を作るためには食事内容の改善や規則正しい生活習慣、適度な運動が必要なので、脂肪の摘出等とは根本的に違う課題となります。
目の周りの脾粒腫であれば、アイクリームなどを塗ってマッサージを続けるのも良いようです。