カリウムサプリメントを摂取する前に
五大栄養素の一つにも数えられるミネラルは100種類以上が知られていますが、これらは生命を維持するには必須の元素です。
栄養素として生体の維持に欠かせない元素として必須ミネラルと呼ばれるものがあり、これらは体内でさまざまな生理作用に関わっています。
ナトリウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素の16種類が必須ミネラルとされています。
カリウムは、こうした必須ミネラルの一つです。体内に存在するカリウムのほとんどは細胞内液に溶け込んでいます。
生命活動は、このカリウムと細胞の外にあるナトリウムがバランスよく働くことで、正常に維持されています。
カリウムはさまざまな食品に含まれているため、割合に摂取し易い栄養成分ですが、必要量が摂りきれない場合はサプリメントを使ってみるのも一つのやり方ではあります。
薬品とは違い、ただサプリメントをたくさんとってもそれだけで健康になれるわけではないことに注意してください。
健康のためにはバランスの良い栄養摂取がどうしても必要になってきます。
カリウム成分が不足したときにそれを補ってくれるのがカリウムサプリメントであり、それ以上のものではありません。
カリウムサプリメントを使っているから食事をないがしろにしていいということはありません。
日々食事はしっかりととり、バランスのとれた栄養摂取を心がけましょう。
カリウム不足にはカリウムサプリメント
カリウムを食品から摂取するのは比較的簡単です。
魚介類、海藻類、野菜類など旬の素材を中心にした食生活を送ってきた日本人。不足するようなことは特になく、カリウムサプリメントの利用など必要なかったと言えます。
昨今進んだ日本人の食生活の欧米化は、伝統的な食生活の中では起きなかった生活習慣病をもたらし、それとともにカリウムサプリメントが脚光を浴びるようになりました。
心臓や脳血管の疾病は日本人の死因のかなりの部分を占めますが、これらには下地ともいうべき病気があります。
糖尿病、高血圧などはその代表例ではないでしょうか。
カリウムが不足すると糖尿病、高血圧、神経障害など、様々な症状が現れてきます。
普段の食生活で不足している分のカリウムをサプリメントで体内に摂り入れることで、様々な症状の改善に期待ができます。
高血圧の原因の一つとして、塩分過多があげられることがあります。
塩に含まれるナトリウム成分の排出を促進する目的でカリウムをサプリメントで摂取することで、塩分を摂ってしまいがちな人は高血圧の予防にすることができるかもしれません。
暑い日に汗を大量にかくと夏バテを起こしやすくなってしまいますが、これは発刊によって体内からカリウムが失われてしまうためです。
夏バテなどで食欲がなく食事が満足に取れないような場合には、食品からのカリウム摂取がままならなくなりがちですので、カリウムサプリメントを上手に利用していきたいものです。
カリウムサプリメントは摂取量に注意
サプリメントを使いすぎてカリウムを摂りすぎると問題が起こる場合があります。
サプリメントに限ったことではありませんが、カリウムを摂取しすぎると高カリウム血症を起こす危険性があるため、摂りすぎには注意が必要です。
高カリウム血症は、カリウムを摂りすぎたことや腎臓の機能が低下するなどの原因から、カリウムの体外への排泄がうまくいかずに血中カリウム濃度が異常上昇することで起こります。
悪心、嘔吐、脱力感など高カリウム血症は、様々な症状を引き起こしますが、中には不整脈のように命に関わる症状を引き起こすこともあるようです。
特に、腎機能があまり良くない人については、サプリメントだけでなく食品からもカリウムを過剰摂取しないように注意すべきです。
糖尿病でインシュリンの働きが悪くなると、カリウム不足を起こすことがあります。
このためか、サプリメントを使ってカリウムを補うことで糖尿病の予防になると考える人もいるといいます。
しかしながら、糖尿病になった場合より注意深くカリウムを摂取しないとならなくなりますので、特にカリウムサプリメントを利用してカリウムを摂取することは控えた方がいいようです。
糖尿病によって発生しやすくなる合併症のうち、糖尿病腎症は割合に起こりやすく、腎臓の機能が下がってしまいます。
腎機能が著しく低下していればカリウムの排出もうまくいかないため、カリウムの摂り過ぎは危険なのです。
サプリメントは薬品ではないものの、体に及ぼす影響は決して少なくはありません。
カリウムサプリメントだけではありませんが、サプリメントは注意して使っていかなければなりません。