仕事の市場について
辞書で仕事という単語の意味を調べると、「それによって生計をたててゆくための職。職業。業務。」となっています。
同じく国語辞典で市場という言葉の意味を調べたところでは、「売り手と買い手が定期的に出会って取引を行う組織」という文章でまとめられていました。
仕事の市場とは勤労の情勢という様な意味になります。
現在の日本の仕事市場はどうなのでしょうか。
ここ数年賃金水準の低下が指摘され、ベースアップや賞与の引き上げ等、賃金改正を求める声が強まってきています。
2008年度に正社員の賃金引上げがあると回答した企業は約4割です。
ここ何年かは賃金上昇圧力が高いままで、2006年と2007年も同様に給与はアップしているようです。
仕事の市場を業界別に見ると、製造業やサービス業が高水準でした。
業種全体が低迷している不動産や金融の分野では据え置きが目立ちました。
現在の仕事市場では、賃金の上昇圧力が高まっていくに対応して企業側が賃金をアップさせるようになっているようです。
では、正社員以外の雇用状態にあるパートタイマーやアルバイト、派遣の職にある人たちはどういった仕事市場にいるのでしょう。
2008年の回答では、給与の引き上げを回答した会社は正社員の4割りに対して2割程度で、前年の若干の増加に留まっています。
そして4割の企業が非正規雇用の賃金はアップさせないとしており、正社員よりアルバイトやパートの情勢は不利になっているようです。
睡眠時間と仕事市場
睡眠時間と仕事市場について。
この20年、人々の年間の睡眠時間は年々減っていると、「社会生活基本調査」の中で総務省は公開しています。
働く人たちの1日当たりの労働時間は睡眠時間の短縮に反して延び続けており、寝る時間を減らしてでも働く時間を増やしているということがわかります。
労働者の1日の平均仕事時間は6時間9分で、5年前より10分増加しています。
労働時間が延びた要因について企業に理由を聞いたところ、しなければならない作業をするためには定められた時間内では終わらないため、というものが50%でした。
そして、2割が人材不足を上げています。
これは会社の業績悪化のためなどで労働力が足りていないことが原因です。
中小企業では、リストラや新規採用数の削減で人員が減り、仕事時間が延びている職場もある様です。
睡眠時間を削って働く人が増えている日本の仕事市場ですが、働き口が見つからない人がたくさん存在するのもまた、日本の仕事市場の現実です。
厚生労働省は、多様就業型のワークシェアリングを通じて雇用機会、労働時間、賃金を労働者で分かち合うことで働く時間を短くしようという取り組みを行っています。
ですが、多様就業型ワークシェアリングは社外の客との対応に問題が出たり、常勤の社員への負担が増すことも起こります。
このように、仕事市場は数多くの問題を内包していると見なすことができます。
もしも、失業中だけれど働く意志がある人と、睡眠時間を削ってまで無理をして働き続けている人との仕事を平均化することが可能なら、もっと働きやすい環境となり、仕事市場も向上するでしょう。
女性の仕事市場
女性の仕事市場について。
働く人数については、厚生労働省が人口推計から導き出した見通しが出されています。
厚生労働省の発表によると、2006年に6657万人だった労働人口は、2030年には1070万人減少すると予測しています。
労働力の減少が予想される国内の仕事市場にあって、女性の存在は大事な人的資源として望まれています。
2006年の労働力人口は、男性が前年より3万人減少の3800万人だったのに対し、女性は前年より9万人増しの2700万人となっています。
育児をしながら働き続けるという共働きの家庭が増えたこともあり、女性の仕事市場への参入は活性化しています。
労働人口は3年連続で伸びています。
女性の働く場所は、一度退職するとなかなか再就職が難しいという特長もあります。
結婚や出産のために仕事を辞めた人は、育児が一段落してからは働きづらいのです。
仕事と家事を平行してこなすことができなかったという人の半数は、その原因として体力が保たずに続かなかったことをあげています。
もしも女性にとって働きやすい状況を整えることができるならば、働く女性の数がぐっと増えて経済も活発になっていくことでしょう。
男性が会社を立ち上げる場合、一番多いのは55歳以上だそうです。
しかし、女性の場合は30代後半の企業が多く、それ以後は少しずつ少なくなっていきます。
会社を立ち上げるという女性たちは30代や40代ですが、このくらいの年齢の人は育児もしています。
育児も仕事もしなければならないということが、女性には求められています。
労働環境を改善し仕事市場を整えるためには、ワークシェアリングを上手に活用することで働き過ぎている人と失業している人とで作業を分け合うというシステムを実現できればいいのではないでしょうか。