出産後の仕事と子育て
現在では、子育てに育児休業中の1年間は専念したいけれど仕事に復帰しなければならないなど、社会的役割を持つ女性が増加している。
さらにたくさんの負担を背負いつつ、産後すぐに仕事の復帰する女性が増えているのだ。
また、将来的に子育てに要する経費はもちろん、家計を支える理由から、出産後できるだけ早く新たに仕事に就きたいと願う女性も少なくない。
今はまだ出産後の女性が早々と仕事に就くための制度としての子育て支援や、保育園や託児所などの環境は十分ではないといえる。
こういう時代に子育てしながら仕事そしようとするのであれば、妊娠中からその覚悟を決めておくべきだ。
あらかじめ備えておくことが出産後の子育てと仕事復帰の不安を軽減してくれるかもしれないからである。
また、出産後の女性の体は妊娠中と同様、心身に様々な変化が生じる。
そのためトラブルを引き起こす可能性も、適切なケアなしにはあるだろう。
とくに産後約4~6週間は子宮や骨盤の戻りは不十分であるといえる。
その期間に無理を強いることが、後々、辛く思い更年期障害に悩むことに繋がるとも言われている。
子供と一緒の時間が、仕事はせず子育てに専念する母親と比較して短いのは当たり前のことである。
子供との時間は、休日が病院まわりや療養に占められてしまっては、どんどん少なくなってしまうであろう。
子育てへの影響を最小限にとどめ、築きあげてきた信頼や立場、せっかく得られた仕事を長く続けていくためにも、身体をいたわり、しっかり自己管理をしながら、晴れてワーキングマザーライフをスタートさせ満喫していきたいものだ。
仕事と子育ての両立に向けて
仕事と子育ての両立に向け、まずは産後の自分自身の身体を仕事復帰に向け十分にケアしていかなければならない。
子育てを担っていく母親にとって、産後は身体のいろいろな部分がもとに元に戻ろうとする時期であり、非常に重要な期間だといえる。
出産した後、最低3週間は赤ちゃんと一緒に寝て過ごす生活を選んだ方が、育児休暇を取らずに仕事に復帰をするなら尚のこと産後の身体回復をよりスムーズにするであろう。
出産した直後は、出産までに蓄積された心身の疲労がなかなか完全には回復しないものである。
疲労感も寝不足も、子育てに対する責任感や母性によって忘れることができるかもしれない。
実際には、ホルモンバランスがまだまだ不安定であり、抵抗力も落ち気味である。
育児は母乳でと必死になるあまり、仕事復帰後も搾乳器を使うことによって乳腺炎を引き起こすようなこともある。
無難なのは、妊娠中から出産後のトラブルについての情報収集をしておき、対策をとっておくことであろう。
それでも何かしらのトラブルに見舞われたときには、仕事復帰への影響を最小限にとどめるためにも、決して一人で背負うことなくすぐに専門家の指導を仰いだ方がよいのではないだろうか。
子育てに対する不安もさることながら、まずはこうしてしっかり自分自身の身体を管理していきたい。
他の多くの女性にとっても、子育てをする母としてだけではなく、女性として社会で仕事をする姿はとても魅力的ではないだろうか。
たとえ子育てに従事する時間があまりなくても、子供はその後ろ姿をみて育っていくものであり、仕事をする姿もまた立派な子育といえるのである。
子育てと仕事を両立させる環境
仕事と子育てとを両立させるための環境は、働く女性にとって非常に重要な部分であるといえる。
子供に母親と常に一緒に過ごすのと同じような環境を準備し、子供を守っていかなければならないし、仕事からどうしても手を離せない時や重要な会議がある時に子供が熱を出したらどうするべきかなどの日々起こりうる緊急時の対策をとっていかなければならない。
仕事をもつ母親にとっての子育ては、直接的はもちろんのこと、間接的に愛情を注ぐことがより多くなる。
子供を預けることのできる家族や信頼のおける託児所や保育所を確保できれば安心感は増す。
けれどたくさん家族のように我が子のことを見守る人や場所があるということは心強いといえる。
こういったネットワークを少しずつ広げていくことは、夫婦共働きであっても、シングルマザーの子育てであっても、子育てと仕事を両立していくという意味で大切なポイントだろう。
母親が積極的にこのようなネットワークを、子育ての方針をしっかりと定めていきながら築きあげていくべきなのである。
ワーキングマザーにとって精神的な疲労を与える大きな原因となってしまうのが、仕事では職場での人間関係、子育てでは子供を中心とした人間関係ではないだろうか。
母親のなかには、子育てを通じて世界が広がったと言う人も少なくないだろう。
毎日家庭ないしは仕事中心のだった生活が子供中心となり、日々の新しい出会いを糧に自分自身も大きくなっていく。
今まで苦手意識のあった他人と話をすることや休日の遠出も、楽しみにいつの間にか変わっていくこともある得るのだ。
とりあえず身近なところからコミュニケーションをとり、地域の情報や支援にも少しずつ頼りながら、子育てと仕事の両立のためにがんばりたいものだ。