医療従事者の転職活動
医療従事者の転職活動について。職場での精神的なストレスが原因で、うつ病などの心の病に罹るケースが医療従事者にかかわらず急激に増えている。
さらに増加しているのが、心の病による労災認定者数や自殺者の数である。
上位を占めているのは業種別にみると、製造業、卸売、小売業、建設業が多く、さらに医療従事者が本来病む患者を癒す職業であるにもかかわらず心の病になる割合も上位にせまっている。
医療従事者自身のメンタルヘルスについては、表面化されることが少なく対策も進んでいない。
それは医師不足はもちろん、全体的なマンパワー不足の問題に隠れてしまっているせいである。
医療の資格を活かそうと思えば、医療関係の業種は他の業種と比べて求人件数がたくさんあり転職も可能だ。
この転職活動さえ成功すれば、環境も変わり心の病や不調を乗り越えられる可能性もあるといえるだろう。
医療関係の転職は選択肢が多いからといって、安易な転職活動は禁物である。
とくに意外なところで現職場と次期職場が繋がっている場合もあるのである。専門分野や業務内容をガラリと変え、せっかく今の職場環境を断ち切って転職したと思いきや、次の職場でも同じだったという失敗談は少なくないようである。
職場環境を改善するために、医療従事者が転職活動を行うのなら特に気をつけるべき点ではないだろうか。
転職活動を通して、どんな職場環境が自分にとって適しているか、もう一度検討するとともに、医療従事者として心の病の再発を予防していくことは責任でもあるだろう。
医療従事者の転職活動を支援するキャリアカウンセラー
医療関係の求人情報を求めるだけでは、転職活動をしているとはいえない。自分にとって、職場環境や業務内容が適切かどうかの情報を集めることが大事なのだ。こんな時ぜひ利用したいのが、医療従事者の転職活動を支援するキャリアカウンセラーである。このサービスは、医療従事者の転職活動を専門に支援するものである。とても心強いのは、医療従事者専門のキャリアカウンセラーが普通は見えにくい事情や医療機関同士の関係性についても精通しているということだ。カウンセラーが直接会って、転職活動ついて相談を行う場合もあれば、相談にメールのみで応じてくれるサービスなど様々な形で進められている。もちろん転職活動を支援するこうしたサービスを利用して、現職場で直面している問題は相談できるでしょう。さらに目標としていること、やりたい仕事、今後どうありたいかなど幅広く相談にのってくれるだろう。たとえ職場が変わっても、専門職同士で交流する場が引き続きあるに違いないので、医療機関から医療機関へ転職する場合はできるだけ人間関係の問題を増悪させないほうが良いだろう。退職や転職について、今いる職場内ではなかなか相談しにくい場合でも、キャリアカウンセラーなら気軽に相談できるだろう。自分の専門分野はもちろんのこと、常勤・非常勤、期間限定などの勤務形態別に情報を得ることもできる。キャリアアップをあたらしい環境で目指すのであれば、このようなサービスを是非活用したいものだ。
課題の多い医療従事者の転職活動
規定人数の専門職を配置しなければ、医療機関では診療報酬を得ることが不可能である。
そのような理由から、人員を確保しようとしてたとえ転職を希望していてもなかなか退職できないという問題もたくさんあるようだ。
医療機関側の問題だけではなく医療従事者側に問題がある場合もある。
なかなか医療現場に適応できずに、医療従事者の中には心の不調や職場でのトラブルを引き起こすものもいるのである。
スムーズな転職活動を進める上で、どのような職場環境が自分にとって良いものなのか十分に見つめ直すことは大切なことだといえる。
最近問題視されているのが、超過勤務、人員不足による、医師またはその他医療従事者の不足である。
一刻も早い対応が望まれるのは、どの地域にも、どんな医療機関にもバランスよく、信頼のおける医療従事者が配置され続けることである。
できるだけ退職者を出そうとしない医療機関や、医療従事者がトラブルと転職を繰り返しているなど、多くの表面化されない問題点もある。
他業種に比べ、医療従事者の転職チャンスは高いかもしれない。
しかし反対に課題となる部分も多いともいえる。
転職活動を良い職場環境で仕事をしたいと考えて行うのであれば尚のこと、転職活動が自分のキャリアを見つめなおすことのできるチャンスとなるだけではないのである。
無事に転職活動を乗り切るためにも、専門のキャリアカウンセラーなどをうまく活用することをおすすめしたい。