就労移行支援事業所の選び方は?
【就労移行支援事業所の選び方】
全国に約3,300ヶ所もある就労移行支援事業所の中から、自分に合う就労移行支援事業所を見つけることは大変です。ここでは、就労移行支援事業所の選び方をご紹介します。
まず、あなたは就職して働き続けるにあたってどの様な不安がありますか?
その不安を解消するために何を解決する必要がありますか?
健康管理や人間関係、職業スキル、就職活動など人によって不安は様々ですが、その不安を課題に変え、解決できる場所が就労移行支援事業所です。
就労移行支援事業所は施設によってカリキュラムや支援メニューも様々です。ご自身の解決したいカリキュラムや支援メニューが充実した就労移行支援事業所を見つけましょう。見つける手段としては以下の3つがあります。
①市区町村へ相談:お住まいの市区町村の障害福祉課で就労移行支援事業所について尋ねてみる方法があります。市区町村によっては、市内の就労移行支援事業所の所所在地や特徴を一覧でまとめて冊子化しているところもあります。
②専門機関へ相談:通院先(主治医、ケースワーカー)、障害者就業・生活支援センター、就労支援センター、相談支援事業所、ハローワーク等の職業紹介事業者などがあげられます。
③就労移行支援事業所の検索サイト:世の中にはレストランや旅館を紹介するサイトがたくさんある様に、就労移行支援事業所を検索できるWEBサイトも複数あります。
就労移行支援事業所の検索サイトでは、各就労移行支援事業所の特徴や所在地、カリキュラム等の情報を得ることができます。
沢山の就労移行支援事業所があるため選ぶのは大変ですが、上記の方法を使うとスムーズに見つけやすいためお勧めです。
就労移行支援事業所を利用する流れ
気になる就労移行支援事業所を見つけた後の流れについて説明します。
【問合せ】
電話やメール、WEBサイトを通じて気になる就労移行支援事業所へ連絡を取ってみましょう。不明点を質問できるほか、見学の予約を取ることもできます。
【見学】
実際に就労移行支援事業所へ足を運び、スタッフの方とお会いしながらサービスの説明や実際のトレーニング風景を見学できます。見学は予約制となっている就労移行支援事業所が多いので、事前にご確認ください。
見学では、就職への相談もできますので、就労移行支援事業所への通所がご自身の不安を解消できるかを確認しましょう。
【体験通所】
見学を終えたら、体験通所を行いましょう。体験通所は無料です。
体験通所とは、事業所で提供しているトレーニングや就職支援メニューを実際に体験できるシステムです。
体験通所の内容や日数は事業所によって異なります。体験が5日間の事業所もあれば、1日だけの事業所もあります。
実際のトレーニングを体験し、通所することがご自身の将来に繋がるかどうかを検討しましょう。
また、既に通所している方々から積極的に情報を得たり、就職支援メニューの内容を職員に確認しておくことも施設選びの参考になるためお勧めです。
体験通所が終わり、申し込みたい事業所が決まったら受給者証の申請手続きを行います。
【受給者証申請・契約】
お住まいの市区町村にて、受給者証の申請手続きを行います。受給者証申請の手続き方法については就労移行支援事業所よりご案内があります。申請手続きが完了したら事業所と個別の利用契約を締結し利用開始となります。
【利用開始・個別支援計画】
就労移行支援事業所の利用が決まったら、就労移行支援事業所のスタッフがあなたの希望を聞いた上で、理想の就労生活を実現するための計画が立てます。これを個別支援計画といいます。個別支援計画では、
希望する就労の実現に向けた支援メニューやプログラムの計画を記載します。
スタッフが立てた個別支援計画は、利用開始時にあなたへ説明がありますので、ご自身の意向に合ったものかをご確認下さい。また、ご不明点があれば早めにスタッフへお伝え下さい。なお、個別支援計画は3~6か月単位でスタッフが見直しをしていきます。
【プログラム】
一般の企業で働くために必要な「ビジネスマナー」や「就職活動」の研修が受けられます。
その他には、事業所が強みとする「就職分野」や「障害分野」によって、様々なスキルアップ研修が提供されています。
・Word、Excel、PowerPoint(基礎~中級)
・ビジネス文書
・仮想のオフィスワーク業務
・ストレスマネジメント
・グループワーク
製造系職種への就職を強みとする事業所では、「作業訓練(仕分け、組み立て、清掃など)」や「ピッキング」などの研修を行っています。その他、事業所の特徴に合わせて「プログラミング」や「接客」、「調理補助」、「デザイン」など様々なスキルアップ研修が行われています。
また、何より大切なものは働き続ける上で課題となる「障害」への対応策を身に着けることです。障害の状態は人それぞれ違います。職業スキルの向上だけではなく、「障害」への対応策を身に着けることが長く働き続けるためには重要です。
就労移行支援事業所では、支援員が通所されている方の障がい内容に合わせ、生活や健康面、コミュニケーション、業務遂行面での課題や必要な配慮を明確にしたり、工夫して対処するなど解決に向けてサポートを行います。
取り組む内容は、配慮の伝え方や、服薬・睡眠・食事等の生活リズムの安定や体力向上、報告・連絡・相談や悩みを抱え込まない対策、認識のズレを防ぐスキル方法など対象者に合わせ様々です。
【就職支援、職場定着支援】
就職に必要なスキルや障害への対応策を身に付けることができた方は、就職支援をスタートします。
就職支援の内容は、キャリアカウンセリング、選考ポイントを押さえた応募書類添削、面接練習、企業実習、ハローワークや人材会社との連携等を行います。事業所によっては、企業ネットワークがあり、そこから就職に繋がるケースも少なくはありません。
また、入社後に「何の不安も不満もなく幸せです!」という方も少ないのではないでしょうか。
入社が無事に決まったら、職場に定着できるためにサポートが開始されます。
職場に適応できる様、就労移行支援事業所のスタッフの職場訪問や相談対応を受けることができます。