コーヒーの歴史、その起源は?
コーヒーの長い歴史の中で、その起源について正確なことはわかっていません。
ですが大きく分けて、2つの伝説がコーヒーのルーツとして知られています。
アラビカ説
イスラム教の聖職者だったオマールが発見したという説です。
暮らしていた国の王である、モカ王の娘に恋をしたオマールが追放され、山中で偶然見つけて食べた赤い木の実が非常に美味で、スープを作ります。
このスープを飲むと、とてもスッキリした気分になることを発見。
その後、オマールが街に広めたこのスープがコーヒーのルーツとなったというものです。
エチオピア説
カルディという山羊飼いの青年が見つけたという説。
ある日カルディは、山羊が赤い木の実を食べると元気になることを知ります。
そのことを知ったカルディは、自分でもその赤い実を食べてみることに。
すると不思議なことに眠気がなくなり、たちまちスッキリとした気分にあることを発見します。
この赤い木の実がコーヒーだったという説です。
アラビアとコーヒーの歴史
もともとエチオピアの高原地帯に自生していたコーヒーノキの果実は、現地で煮て食べられていました。
今でもエチオピアでは、その名残である風習が残っています。
そこから9世紀ごろに、コーヒーがアラビア半島へ伝わり、そこではコーヒー豆はバン、コーヒーはバンカムと呼ばれていました。
バンカムは焙煎という技術ができる前だったため、乾燥させたコーヒー豆(バン)をすり潰し、熱湯で抽出した飲み物だったとされています。
これが現在のコーヒーにつながる最初の形です。
このころに残された記録にも、正確なバンカムの入れ方が残っています。
また詳細な時期はわかっていませんが、そこから偶然に焙煎すると風味がよくなることが発見され、何百年以上もの時間をかけて、イスラム社会で少しずつ文化として馴染んでいきました。
ヨーロッパとコーヒーの歴史
17世紀に入ると、コーヒーはヨーロッパにも伝来します。
ですが伝来当初は、珍しいうえに好んで飲む人はおらず、主に学者の研究対象として以外は知られていませんでした。
さらにイスラム社会と密接な関係のあったコーヒーを「悪魔の飲み物」として弾圧する人も現れはじめます。
そこで当時のローマ教皇が味見をしますが、その味に取り憑かれ、コーヒーそのものに洗礼の儀を行い、キリスト教が飲むことを許可したのだそうです。
その後はベネツィアの商人の手によって、ヨーロッパの国々の各地へ広まり、一般市民にも広がっていきます。
そしてコーヒーの作用や飲み方の研究もされ、多くの書籍が出版されるなど、コーヒー文化が生まれました。
コーヒーの歴史、その起源は?
アメリカ大陸へのコーヒーの伝来は、1640年ごろだとされています。
持ち込んだのは、オランダ・イギリスの船だとされていますが、正確なことまではわかっていません。
このころのアメリカでの嗜好飲料は、イギリスで飲まれていた紅茶であり、当初はコーヒーの高価さからあまり浸透しませんでした。
ですがその後ニューヨークが世界中のコーヒー豆の取引場となり、コーヒーハウスが産まれるなど徐々に浸透していきます。
そして南米諸国での大量生産が可能になると、コーヒーの価格は一気に下がり、一般市民にも飲まれるようになり、世界中に輸出されはじめました。
とくに禁酒法の施工後は、多くの市民に支持されることとなります。
コーヒーの現在
その後コーヒーは世界各地に広まり、もちろん日本国内にも持ち込まれます。
そこからはだれもがご存知のとおり、国々で独自のコーヒーの飲み方が考案され、世界中で愛される飲み物となりました。
またコーヒーを飲むお店であるカフェも、文化的な交流の場としても愛され、多くの人が集まる場所でもあります。
このようにコーヒーは、長い時間をかけて現在の形となったのです。