ワキガ手術とは
ワキガは、漢字で書くと腋臭となり、何だか仰々しい印象があります。
このワキガ対策に手術を受けるという人がいるようです。
汗を分泌する汗腺には、通常の水っぽい汗を分泌するエクリン汗腺と、ワキガの原因となるアポクリン汗腺があります。
アポクリン汗腺は脇の下や乳輪などに存在しています。
その独特の臭気をワキガ臭と呼んでいます。
アボクリン腺の汗の性状は、粘り気のある乳白色の液体で、その分泌物は脂肪・脂肪酸・鉄分・色素・尿素・アンモニアといった臭いの元となる物質です。
俗にワキガ体質と呼ばれる人はこのアボクリン腺が多いわけですが、欧米の人の体臭のきつさはそもそもこのアボクリン腺の多さで、それが当たり前なので治療対象とはなりにくいようです。
日本ではワキガの人は少数なので、ワキガの症状があれば非常に気になるのも納得できます。
ワキガを軽減するために行うワキガ手術とは、体内からアボクリン汗腺を除去する手術のことを指しています。
エクリン腺の手術ではないので、汗の臭いは全く変わらないこともあります。
最近では、ボトックス注射によるワキガ手術も行われています。
ボツリヌス菌から作ったボトックスを注射することで、自律神経に作用して汗を分泌させにくくします。
ボトックス注射によるワキガ手術の治療時間は5分程度。
ボトックス注入法は永続性がある手術ではないので半年おきに注射をし直す必要がありますが、体にも生活にも負担の少ない手術法です。
ワキガの手術方法
耳にしたことがある人も多いと思いますが、いくつかワキガの手術方法についてご紹介します。
ワキガの手術方法の中に、マイクロリムーブ法と呼ばれるものがあります。
これは、特殊な治療器を腋の下をしわに沿って7ミリ程度切開し、挿入して放射状にまんべんなくアボクリン汗腺を取り除き、ワキガを治療するというものです。
この方法で行うワキガ手術は、外来だけで比較的簡単に手術を受けることができ、局部麻酔で行われるので安心です。
ほかにワキガの手術としては、皮下組織削除法によるものがあり、特殊な機器で皮膚の裏側から汗腺を削り取っていくというものです。
この皮下組織削除法は、現在最も広く行われているワキガ手術で方法の1つだそうです。
熟練した医師でないと不完全になることがあるようです。
傷が2ミリと小さく、効果も確実ですが、汗腺の残存の確認ができないことがその理由です。
マイクロリムーブ法の欠点である汗腺の残存の確認を、内視鏡を用いることで解決したのがスーパーリムーブ法です。
この方法を用いることで、確実な効果がマイクロリムーブ法でも得られるようになったそうです。
レーザーによるワキガの手術方法もあります。レーザーで汗腺を破壊するという方法です。
微妙なサジ加減がレーザーによるワキガ手術の場合は難しく、効果は担当医によって差が出るので、慎重にクリニックを選ぶことが重要です。
ワキガ手術の一般的な費用は15~30万円と高額です。
ワキガの手術は、納得のいくものを受けるためにも、しっかりと情報収集することが大切ではないでしょうか。
ワキガ手術のクリニック選び
実際にワキガ手術を受ける場合には、クリニックをどのような基準で選ぶべきなのでしょう。
事実として、あらかじめ患者の側から医師の腕やクリニックの体制を調べることは難しいといえます。
ですから是非覚えておきたいことは、ワキガ手術を担当する医師が日本美容外科学会の専門医であるかどうかが、ワキガ手術において参考になる目安だといえることです。
美容外科クリニックでの勤務歴が長いかどうか、医師が壮年であるかどうかも選択のポイントです。
若過ぎる医師や年配の医師は避けたいところです。
ワキガの症例件数が多いかどうかということと、クリニックが認定医療機関であるかどうかも調べましょう。
一定数をこなしていなければ、ワキガ手術に限らず何の手術でも、腕前はアップしません。
症例数と実力は比例するという統計が、一般外科のデータとしての病院ランキングでも見ることができます。
ワキガ手術を担当する医師の腕もさることながら、クリニック内の充実度も確認しておきたいものです。
もうひとつ大切なことはクリニックの体制が万全であるということだからです。
受付スタッフ、カウンセラー、看護師が優秀な人材であるほうがありがたいものです。
その人たちが、医師に聞けなかったことや、医師の手が回らないことのフォローをすることができるでしょう。
ワキガの手術を検討しているならば、まずはクリニックを訪問して気になる点を質問してみましょう。
もし無料のカウンセリングがあるのなら絶対に利用するべきです。そしてきちんと理解してからワキガ手術を受けるようにするのがおすすめです。