旦那さんの保険、独身のときに加入したままになっていませんか?
独身時と既婚時では、必要な保障が大きく変わってきます。
いざという時に必要な保険金をしっかりと受け取るためにも、旦那さんの保険は定期的に見直しましょう。
今回は旦那さんの保険見直しのポイントやタイミングについて、一般的な加入率などを絡めてご紹介します。
旦那さんの生命保険料、みんなどうしてる?
まずは、旦那さんの保険料や加入率などの平均値を押さえておきましょう。
公益財団法人生命保険文化センターの調査をもとにご紹介します。
約85%が生命保険に加入している
公益財団法人生命保険文化センターの調査によれば、世帯主の約85%が何らかの保険に加入しています。
世帯主の性別をみると約90%以上が男性となっているため、多くの旦那さんが保険に加入しているといえます。
どんな保険に入っている?
どのような保険に加入しているかという点では、1つの保険にのみ加入していて、中でも民間保険に加入している人は約82%でした。
県民共済や生協、簡保のみという人は数パーセントです。複数の保険に加入している人の中では、民保と県民共済や生協を合わせて加入して
いる人が約55%でした。
県民共済は掛け金も安く、会社での加入が推奨されることもあるので、念のために加入している人も多いのかもしれません。
いくつくらいの保険に加入しているのか
圧倒的に多いのが1機関のみに加入しているケースで、全体の約68%でした。
2機関に加入している世帯主は約15%となっています。中には3、4機関に加入している人もいますが、多くはありません。
保険に多く加入することで手厚い保障が得られますが、その分保険料もかさんでしまいます。
柱となる保険を上手に見つけて、できるだけ低価格で抑えることが大切です。
ライフステージ別の加入率
ライフステージ別に見てみると、やはり加入率が高いのが乳児や幼稚園児、小・中学生のいる世帯です。
これらの子どもがいる世帯では、全体80%近くの世帯が保険に加入していました。
一方、子どもが独立し、夫婦も高齢化すると保険の加入率は60%前後に下がります。
高額な死亡保険は必要なくなり、自分が亡くなった時に葬儀代としての数百万円くらいが保険から出ればいい、と考えるシニア世代も多いものです。
また、このことから、貯蓄目的で保険を利用している世帯が多いことがわかりますね。
見直しのいいタイミングはいつなのか
保険はライフスタイルに合わせて加入したいもの。
多くの世帯では、世帯主である旦那さんを契約者として保険に加入しているものですが、旦那さんの保険を見直すタイミングはいつがいいのでしょうか?
結婚して同居を始めたとき
最初の見直しタイミングは、結婚して同居を始めたときです。
独身時によくわからないまま、勧められた保険に加入している場合は、同居を機に保険を見直しましょう。
また、独身の間は両親が生命保険を契約していることもあります。
契約者や受取人をどうするか、月々の支払いを誰がするかも合わせて決めておくといいでしょう。
結婚しても子供がいない間は、医療保険はさほど大きくなくてもいいでしょう。
特に旦那さんがサラリーマンの場合は、労災や休業補償が公的保険から受け取れるため、経済的な負担はさほど大きくありません。
妊娠、出産のとき
妊娠や出産のときも、保険を見直すタイミングです。
子どもが成人して社会人になるまで20年以上。
この間の学費や生活費、住居費などを計算すると、膨大な金額になります。
もしも子どもが小さい間に旦那さんに万が一のことがあっても、子どもを育て抜けるよう、死亡保険は手厚くかけておきたいものです。
子どもが大きくなったときは死亡保険を見直そう
死亡保険の目的は、遺された家族を守ること。
であれば、子どもがある程度大きくなったら死亡保険も見直したいところです。
文部科学省の調査によれば、公立高校の学費は平均で450,862円でした。私立高校となると1,040,168円です。
公立高校に3年間通った場合、学費は合計で1,352,586円です。
大学となると、私立文系で年間932,948、理系になると1,165,396円です。
大学の4年間では、学費だけで400万円から500万円ほどかかることが予想されますが、自宅からかようなどの工夫をすれば、数千万円もの死亡保障は必要ないかもしれません。
40代はがん保険を見直したい
国立がん研究センターの調査によれば、がんの罹患率と死亡率は40代から徐々に上がります。
できれば40代手前でがん保険を見直したいものです。
がん保険に加入していないときにがんだと診断されてしまったら、その後がん保険に加入することは難しくなります。
加入できるとしても、がんの所見なしと診断されてから2年は加入できないなど、保険によって条件が異なります。
公的保険でがんの治療をまかなえればまだ良いのですが、高濃度ビタミンC点滴など、自由診療を選ぶ人も少なくありません。
そうするとかなり費用が必要となります。
がん保険にも、がんと診断されたら一時金が出るタイプ、手術だけでなく通院の医療費も補填してくれるタイプなど、いろいろな保険がありま
す。
がん保険は一度見直しておきましょう。
サラリーマンから自営業になった
サラリーマンから独立して自営業になったときも、保険の見直しに適したタイミングです。
サラリーマンは、社会保険が手厚いため、仕事に関するケガなどに関しては労災がおりますし、仕事とは関係ない事情で休業したときにも休業
補償を受け取ることができます。
しかし、自営業にはこういった保険のサポートは基本的に期待できません。
そのため、万が一に備えて民間保険を活用する必要性がサラリーマンよりも高いのです。
毎日の仕事が売り上げに直結する仕事なら、医療保険を手厚くし、入院給付金の額を上げておきましょう。
また、遺族年金も遺族基礎年金しかもらえないため、死亡保険も手厚くしておきたいものです。
逆に、自営業からサラリーマンに転職する場合は、保障を下げる見直しをおこなってもいいでしょう。
旦那さんの定年時にも保険を見直そう
60代は定年退職の時期ですが、この時期も保険を見直したいものです。
60代以降は病気になる人も増える反面、収入が減るため、経済的な理由で満足のいく治療を受けられない、ということがないようにしたいもの。
とはいえ、60代の保険料は高額になりがちです。
例えば、オリックス生命の終身医療保険は、65歳男性の場合月額5,247円ですが、仮に入院給付金を日額10,000円、重度三大疾病一時金特約を100万円、がん通院特約を追加した場合、月額20,632円にまで上がります。
がん通院特約を外してがん保険に単独で加入した場合でも、合計で29,482円です。
かなり高いですよね。
ただ、これは63歳で保険に加入し直したときの金額です。
若い頃から加入している医療保険があるのなら、他の保険に乗り換えたときの保険料とどう違うのか、慎重に検討しましょう。
旦那さんの保険料を見直すときに押さえておきたいこと
生命保険には、見直しのタイミングが何度か訪れます。
特に見直したほうがいいのが、世帯主である旦那さんの保険ですよね。
そこで、旦那さんの保険をみなおすとき、押さえておきたいポイントをまとめました。
子供に必要なお金は減っていく
冒頭でも少し触れましたが、子どもにかかるお金は年々減っていきます。
例えば子どもが0歳のときには、その子が社会人になるまでには1,000万円かかると試算したとしても、子どもが6歳になればそれよりも低い額で済みます。
さらに高校を卒業すれば、もっと低い額で済むことに。
子どもが成長するにしたがって子どもに必要なお金は減っていくため、それに合わせて保険料も見直したいところです。
更新期間はどうなっている?
保険料を見直すときには、更新期間も合わせて見直しましょう。
保険には、更新型と全期型の2種類があります。
更新型は、10年や15年などの期間中は保険料が変わりませんが、更新後には保険料が大きく変わるのが特徴です。
一方、全期型は全期間保険料が一定です。
若い頃に更新型の保険に入っている人は、年齢を重ねると保険料が上がっていくので気をつけたいもの。
保険料を抑えるためには、特約や保障額を見直す必要があります。
必ず切り換えてから解約を。未加入期間を作らない
見落としがちなのが、切り替えるときの注意点です。
今加入している保険から他の保険に切り替えるときには、必ず切り替え後の保険に問題なく加入できてからにしましょう。
契約者の健康状態によっては、保険の加入を断られたり、不担保特約を付けられることがあります。
保険料は前の保険よりも安く済んだのに保障内容が悪くなってしまったとなったら、元に戻すことはできません。
切り替えるときには、問題なく加入できているか、保障内容はこれまでの保険とどう変わるのかをしっかり確認してから、既存の保険を解約しましょう。
ガン保険の「待機期間」に注意
がん保険の多くは、半年の待機期間を設けてあります。
保険に加入して半年の間にがんと診断されたとき、保険金が全額出ない、もしくは一部しか出ないことがあります。
既存の保険を解約して保険に切り替え、半年以内にがんが見つかってしまったら、がん保険の保険金が下りないことにもなりかねません。
がん保険の切り替えをするときは、待機期間が明けてから既存の保険を解約しましょう。
必要保険額を出すためにここはチェック!
保険料を見直すときには、必要保険額がいくらなのかを把握することが何よりも大切です。
必要保険額を出すための材料をまとめました。
遺族年金がいくらもらえるのか
亡くなった方が国民年金や厚生年金保険に加入していたら、その人によって扶養されていたなど、生計を維持されていた配偶者と子どもに対し
て遺族年金が支給されます。
旦那さんが収入の柱になっている場合は、妻や18歳以下の子どもが対象者です。
この遺族年金がいくらもらえるのかによって、毎月の生活費で足りない額がわかります。その結果必要保険額も変わってきます。
例えば、旦那さんの平均標準報酬月額が40万円で配偶者と子どもが一人いる場合、受け取れる遺族基礎年金は月額83,716円、厚生年金に加入している人なら、月額124,824円となります。
ここで、一家の生活費が月額30万円なのであれば、旦那さんが自営業ならばあと約22万円、サラリーマンの家庭であればあと約18万円の補填が必要になるのです。
自営業の場合は遺族基礎年金のみを受け取れ、遺族厚生年金は受け取れないので注意しましょう。
住宅費はかかるのか、かからないのか
住居費も、必要保険額を出すときに重要な数字です。
賃貸の場合は旦那さんが亡くなったとしても、変わらず発生し続けます。
しかし、住宅ローンを申し込んでおり、団体信用生命保険に加入している場合は、契約者である旦那さんが死亡、または高度障害の状態になったときにはそれ以降の支払いが免除されます。
仮に住宅ローンが月々10万円だったとすれば、生活費から10万円を差し引けることになります。
遺された配偶者の収入
遺族年金と住宅費の数字を出すことで、毎月の生活費がいくら必要なのかがわかってきます。
そこでさらに、遺された配偶者が毎月どれくらいの収入を得られるのかによって、必要保険額がわかります。
ここで大切なのは、低めに見積もっておくこと。
子どもがいる家庭では、子どもが小さいうちは長時間働くことが難しいかもしれません。
子どもが大きくなったとしても、自分が病気になったりケガをしてしまったりと、健康上のアクシデントが起きてしまう可能性もあります。
転職や休職、引っ越しなどが重なれば、安定した収入を得続けることが難しい時期もあるでしょう。
配偶者の収入については、やや低めに見積もっておきましょう。
まとめ
旦那さんの保険の見直しについて総合的にご紹介しました。
見直しのタイミングはいくつかありますが、世帯によって事情は異なるもの。定期的に見直すことがポイントです。
特に注意したいのが、貯蓄型保険です。
子どもの学資金や万が一の時のためにと貯蓄型保険に加入する人も多いのですが、必要保険額はライフステージによって変わってきます。
子どもが0歳のときと子どもが18歳のときとでは、必要な学資金も生活費も変わります。
保険を見直すときには、保障内容だけでなく、必要保険額も合わせて検討材料に加えましょう。