20代はリスク許容度が高い
どのような投資対象を選んだとしてもリスクは必ず存在します。その時にどれだけリスクを許容できるかということを示すのがリスク許容度と言います。リスク許容度は人によって異なりますが、年齢の要素が非常に大きいとも言われています。定年間近の50代や定年後の60代になると、老後の生活を考え、できるだけ安心・安全を念頭に運用する必要があるため、資産全体における運用割合としては、なるべくリスクを取らずに運用をする必要があります。
しかし、20代なら当然ながらリスク許容度は高くなり、比較的高いリスクの投資先でも投資が可能です。一般的に、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われていますが、より多くの資産を振り分けることができるでしょう。
資産形成の時間を長めに取れる
リスクをなるべく減らして投資をする秘訣の一つに時間を味方にして分散投資をする方法があります。
早い年齢から不動産投資をすることでより多くの収益を手にする機会も増えますし、万が一、失敗をしても、定年間近でサラリーマンの収入がなくなる50代、60代に比べるとやり直す時間にかなりの余裕があります。
不動産の現物投資ではなく、不動産投資信託のJ-REITに投資をするのであれば、さらに時間を味方につけて、リスクを減らすことが可能です。J-REITに投資する場合、最小単位かつ購入時期もなるべく開けて細かく分割購入することで、高値づかみをすることなく比較的安全に投資することが可能です。
長期のローンが組める
融資期間は年齢にも影響を受けることがあります。
もちろん、物件や年収、勤務先、勤続年数など個人の属性にも影響を受けますが、一般的には年齢が高くなればなるほど、融資期間は短くなるとも言われています。
例えば、60代の個人投資家が30年を超えるローン期間を設定するのは非常に難しいでしょう。しかし、20代であれば、個人属性がよければ30年を超える長期のローンでも設定することが可能なのです。
個人属性をいかに向上させられるか
このように投資の観点から見ても20代の頃から、不動産投資をスタートさせるメリットは非常に大きいのですが、現物の不動産投資では物件購入で融資をいかに引き出せるかがポイントになります。
一般的に年収の10倍前後が融資の限度額とも言われていますから、まだまだ年収が低い20代では1棟ものの物件を購入することが難しいという問題があるのです。それでは「20代から不動産投資をスタートするのは全く難しいのか」というとそうでもありません。低価格の物件も存在するからです。
まずは不動産投資の実績を作ろう
アベノミクスの影響で、金融機関によっては諸経費込みのオーバーローンや頭金なしのフルローンで融資が下りるケースも珍しくない状況です。しかしながら、20代のサラリーマンは、年齢が若いために勤続年数も少なく、年収が低い人も多いため、個人の属性がどうしても低いのが問題になりがちです。そのため、なかなかアパートやマンション1棟を購入できるだけの融資を引き出すことは難しいかもしれません。
しかし、比較的低価格な中古区分マンションであれば融資を引き出しやすいです。区分マンションを1室持っていても、大した家賃収入にはならないかもしれません。ですが、所有することによって、金融機関から投資の実績があると認識されて、アパート一棟購入などさらに大きな取引をする際に有利に働きます。何はともあれまずは実績を作ることが大切なのです。
自己資金は多めに持っておこう
融資が下りない場合、都心から離れた地域の築古物件や中古戸建では数百万の物件もざらにありますので、現金での買い付けという選択肢もあります。手元に現金がなければ、仮に格安のオトクな物件が出てきても購入することができません。最低でも300〜500万円ぐらいは投資のためのタネ銭として、貯蓄をする習慣を身につけましょう。結局その行為が融資審査などでプラスに働くことも意外に多いのです。
転職はなるべく避けよう
融資の審査では、勤続年数が意外と大きなウェイトを占めることがあります。何度も転職をしていれば、一般的に年収も下がる傾向があります。また金融機関は基本的に個人の信用で融資を行なっているわけではなく、「所属している会社の信用に融資している」部分も多いので気をつけたいところです。
まとめ
20代はまだ勤続年数も短く、金融資産も少ないことから、不動産投資を始めるには早すぎるのではないかと思われがちです。しかし、リスクの許容度という面から見れば、20代から不動産投資を始めるメリットも意外と多いことに気づきます。20代だとどうしてもマイナスに見られてしまう問題をなるべくクリアできるように、対策を講じてみることも大切です。