これからの資産運用について
先日の報道で「老後に2000万円」問題が急遽浮上しこれからの資産形成に真剣
に考えるようになった方も多いのではないでしょうか。
発端は、金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書です。
国が老後の自助努力を促すものとの報道をはじめメディアで数多く取り上げられ、多くの政治家や有識者らが見解を語りました。
さらに、国民もインターネット上でたくさんの意見を述べることとなりました。
老後に2000万円も踏まえて考えて行くためにこちらの記事を書いておきます。
金融機関でご担当者向けの研修を受け持つことも多いのですが、その際、「資産運用の必要性」あるいは、「ニーズ喚起」をどう訴求するか?といったテーマになることがあります。
昨今の「資産運用の必要性」や「ニーズ喚起」において、ある意味お決まり的なものは、
(1)政策的にもコミットされている物価上昇からのインフレリスク- (2)低金利
- (3)円安リスク
- (4)公的年金のみの不安
- (5)目白押しのライフイベント
- (6)長いセカンドライフ
等といったところでしょうか?
このようにいくつか理由が挙げられると思いますが、その中で「長いセカンドライフ」を考える際によくご質問を受ける、「平均寿命」と「平均余命」の違いについて、簡単に説明しておきたいと思います。
平均寿命というのは、生まれたばかりの人がこれから何年生きていられるかという年月の平均値になります。
これに対して、平均余命は今まで何年か生きてきた人が、更に何年生きられるかという年月の平均値になります。
例えば、平均寿命が79歳だとした場合、70歳の人の平均余命は9年ではなく、もう少し長くなります。
その理由は、平均寿命が79歳というときに含まれている70歳以前で亡くなる人たちが、この平均余命の計算に含まれないからです。
つまり、70歳以前に亡くなる人も、それ以上生きる長命な人も全員含めて計算するのが平均寿命、これに対して70歳以上生きる長命な人たちだけを勘定して計算するのが平均余命ということです。
よって、その年齢まで生きてきた、いわゆる長命の人たちを対象に計算した方が長くなるということになります。
以前、「長寿リスクと資産運用」の中でも書きましたが、なんともはや「長寿がリスク」などとは思いたくはないものの、いずれにしても、長いセカンドライフ、老後期間ということに疑いはないでしょう。
お元気です!でもおカネありません!といったことにならないよう、その他に列記した理由なども含めて、ご自分の資産をどう運用し、どう守っていくか?!我々FPの真価も問われているのだと思います。
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