飲食業界を辞めたいけど、飲食から転職は失敗する?未経験可の転職先も紹介!

飲食業界の正社員は地獄?きつい、辞めたい理由はこれ!

 

「お客さんの喜ぶ顔が見たくて就職した」「学生時代の飲食店アルバイトでやりがいを感じて入社した」など様々な理由で飲食業界に就職した方がいると思います。

実際に、自分のサービスで顧客が喜んでくれた、感謝してくれた瞬間は素晴らしいものですね。

しかし、想像以上のきつい環境に直面し辞めたいと思う方が多いのが、飲食業界です。「飲食店の社員は地獄」と言う人もいるほどです。

飲食店の社員はきつい、辞めたいと言われる理由をまとめました。

飲食業界の正社員は地獄?きつい、辞めたい理由はこれ!

飲食業界は離職率が圧倒的に高いことをご存知でしょうか。

厚生労働省の平成29年雇用動向調査結果によると、宿泊・飲食サービス業界は入職者数が約160万人と全業界の中で最多となっている一方で、離職者数も約140万人と最多になっています。

飲食業界の労働者数全体に占める割合は、それぞれ33.5%、30.0%となっており、宿泊・飲食サービス業界の約3分の1の人が辞め、その分新しく働き始めていることが分かります。

それだけ入れ替わりの激しい業界ですが、その理由はどこにあるのでしょうか。

飲食店は離職率が圧倒的に高い!

飲食店勤務の特徴として挙げられるが、圧倒的な長時間労働です。

和民の元社長が、「365日24時間、死ぬまで働け」「業界ナンバーワンになるには違法行為が許される」などと発言したことは有名ですね。

これは極端な例にしても、飲食業界においては、長時間労働が常態化していることは事実です。

ランチ、ディナーを営業しているレストランであれば、少なくとも9時か10時ごろに出勤します。ディナーの営業時間は、22〜24時であることが一般的ですから、後片付けなどもすることを考慮すると終電で帰れるかどうかギリギリと言う時間です。

居酒屋であれば、社員は少なくとも夕方5時の営業開始から早朝朝5時の閉店まで稼働しなければならないので、前後の対応が必要なことを踏まえると12時間以上の労働が必要になってきます。

12〜14時間拘束は普通と言われている業界ですので、もっと過酷な職場も存在します。

1日の拘束時間が16時間、月の総労働時間が350時間、400時間を超えることもありますが、これは過労死につながりかねない危険な状況です。

このように、他の業界と比較してかなりの長時間労働を強いられる業界です。「これくらいは普通」で片付けず、自分の労働時間について振り返る機会を持つことをおすすめします。

飲食店の特徴は圧倒的な長時間労働!

1日の労働時間が長いのにも関わらず、休日が少なくなりがちというのも、飲食業界の特徴です。

飲食業界は、全業界の中で有給取得率が最も低いことが数々の調査で明らかになっています。2018年のVorkers有休消化率レポートでは、有給取得率が24.1%とワースト1位でした。70%を超える取得率の業界もある中で、かなり低いと言わざるを得ません。

本質的な問題は、飲食業界の人材不足にあります。

前述したように入れ替わりの激しい業界ですので、従業員が足りていない飲食店が大半です。

そのため、そもそも規定日数以上の出勤を求められることが多く、アルバイトが足りない時の穴埋めを強いられる場合も少なくありません。

また、年末年始、お盆、GWは飲食店が最も繁盛する期間ですので、休むことはできません。

このように極端に少ない休日数を理由に辞めたいと思うことは自然でしょう。

飲食店の社員は休日が少ない!人手不足が深刻すぎる!

前述したように、飲食店では、圧倒的な出勤日数と労働時間の多さにも関わらず、正社員でも低賃金であることがことが一般的です。

20代では年収200万円台であることが大半で、その後もなかなか給与が伸びないというのが現実です。

年代別に他業種の平均年収と比べても、50〜100万円ほどの差があるので、仕事の大変さに見合った給与が支払われていると感じている人は少ないのではないでしょうか。

出勤日数が多く長時間労働なのに、低賃金!

正社員や店長だったとしても、現場に出ることが多いのが飲食店の現実です。

ホールであれば、長時間立ちっぱなしですし、繁忙期ともなれば休む暇がないほど動きっぱなしです。

レストランであれば、革靴やヒールが指定されており、足への負担は半端じゃありません。

キッチンも立ち仕事で体力的に大変なのはもちろんのこと、やけどや手荒れなどは日常茶飯事。ボロボロになった手を見て辞めたいと思う方も多いのではないでしょうか。

また、食材や鍋の運搬などもあり、意外と重労働なのがキッチンの職員です。

ホールにしてもキッチンにしても体力的にきつい業務が続くのに、長時間働き休日が少ないので、なかなか疲れが取れず、悪循環に陥るということがよくあります。

ホールもキッチンも体力的にきつい!

飲食店では、人間関係に頭を悩ませている方も多いです。

従業員が10数名ほどの規模が多い飲食店ですが、異動などがない限り人間関係はかなり固定されています。

職場によっては上下関係に厳しく、小さな失敗やスピードの遅さをきっかけに嫌味を言われたりいじめられたりといったことに苦しむ人もいます。

特にチェーン店の居酒屋は、体育会系のノリが多いことが特徴的です。

気合いが足りないなどの精神論を重視して、罵倒を繰り返す上司に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そんな辛い環境で働き続けてもらうためにも、従業員同士の結束意識を高めて、仲間を大事にする姿勢を強調します。

そのため、「大変だから辞めたい」と思っていても、「辞めるなんて言い出せない」「一人だけ逃げることはできない」と考えてしまいがちです。

体育会系のノリ、人間関係が辛い!

この記事を読んでいる方の中には、正社員として数年働き、店長を勤められている方もいるかと思います。

ただ店舗のトップになったとはいっても、一般の正社員として働いていた時よりも厳しい環境になりますよね。

常にプレッシャーとなるのが、店舗の売上目標です。上司から圧力をかけられ、苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。

また、人材不足で思うようにアルバイトが集まらない時に、そのフォローをするのは店長の役割です。

人が足りない時に出勤して働くだけでも負担になりますが、その中でクレーム対応などのトラブル処理もしなければならないので大変です。

忙しすぎて、社員の教育、フォローを十分に行えないと、辞める人が増えたり、さらにクレームが入ったりするなどの悪いスパイラルになりがちです。

飲食業界を辞めることを決意したきっかけは?

飲食店からの転職を決意した方は具体的にどのようなタイミングで辞めることを決意したのでしょうか。

ある人は長時間労働すぎて、仕事と寝ること以外何もしていないことに気づいた瞬間を挙げています。

また、転職を考えるきっかけとして多いのが、家族や恋人との時間、趣味の時間などプライベートを確保できなくなったことです。

年末年始やお盆などに家族との時間を過ごせない時や、自分の誕生日すら出勤する必要がある時に、「自分はなぜ働いているのだろう」と考え直すきっかけになるようです。
疲れすぎ、プレッシャーのかかりすぎで急激に体重が減ってしまった方は要注意です。

ご飯がろくに喉を通らないといった状況ですと、体調を崩すばかりではなく、精神的にもかなり危険な状態です。

視野を広くもって、飲食店以外で働く可能性を検討してみましょう。

飲食店で働いた強みとは?

長年飲食店で働いてきた方は転職してみたいと思っても、転職先が見つかるのか、他の業界でも働くことができるのか不安かと思います。

しかし、飲食店の厳しい環境で働いてきた方には、知らず知らずのうちに転職活動の時に強みになるスキルが身についています。

採用面接の時に強みとなる点をいくつかご説明します。

飲食店は店長も大変!

飲食店では、新卒社員として入社した若いときからマネジメントを任される機会が多くあります。

アルバイトの方の教育や管理を行なった経験は、他の業界ではなかなか経験できない強みです。離職率を下げるために行った試みなどを説明できるとなお良いです。

また、早い段階で予算や売上の管理を担う機会に恵まれていることも飲食店の特徴です。責任のある仕事を任されていたことをアピールしましょう。

飲食業界を辞めることを決意したきっかけは?

また飲食店では、顧客対応が重要視されます。

中にはクレーマーとして理不尽な文句や要求をしてくる人もいますが、そこで培ったコミュニケーション能力を欲している企業も多いです。

自分の顧客対応によってファンを獲得した、リピーターになってくれたなどの経験を語ることができれば好印象です。

飲食店で働いた強みとは?

正社員、店長として働いてきた方は、お店のターゲット層にしたがって、集客、内装の変更、メニューの作成などを行なったことがあるのではないでしょうか。

顧客に近い立場で、マーケティングの施策を考え実行し、結果を残した実績は、転職活動でもアピールポイントになります。

売上の増加に貢献した経験などがあればより良いでしょう。

マネジメントスキル

人手不足の飲食店の社員は、多くの業務を行わなければなりません。

長時間労働を少しでも短くするために、作業の効率化行い、業務改善に成功した方もいるかもしれません。

職場の問題点を見つけ改善していく能力はどの業界でも求められています。

飲食から転職する時の注意点とは?

飲食店からの転職で注意したいポイントがあります。

飲食店で数年働いて前述したような強みがあるといっても、他の業種で再スタートする場合はゼロからのスタートです。

将来的な昇給は望めるにしても、初年度の給与は下がることが大半です。現状の職場でいくつもの不満を抱えていたとしても、まずはそのうち1つか2つを改善できる職場を探してみましょう。

転職活動の難易度は年齢に大きく左右されますので、20代と、30代・40代に分けてご説明します。

コミュニケーションスキル

20代であれば、ポテンシャルを重視した採用を行なっている企業も多く、未経験可の求人を多く見つけることができます。

多くの業界で、20代を知識や技術を身につける段階として位置付けています。飲食業界が向いていないなと思った方は、早めに転職をして他の業界でのキャリア形成を考えてみましょう。

マーケティングスキル

30代、40代で飲食業界からの転職は20代と比較すると厳しいと言わざるを得ません。

店長としてのマネジメント経験があったとしても、他の業界でも活かせるような技術を持っているわけではありません。

しかし、独自の施策で売上をアップさせた経験など他の求職者には無いアピールポイントを語ることができれば、未経験の業界でも十分に採用される可能性があります。

「やめてよかった!」飲食からのおすすめ転職先は?未経験可の業界はココ!

飲食業界からの転職を考えていても具体的にどのような業界への転職が可能なのか分からない方は多いのではないでしょうか。

飲食店の正社員、店長の転職先としておすすめの業界、職種をまとめました。

業務改善スキル

飲食業界自体ではなく、現在の職場に不満がある場合は同じ業界内での転職もおすすめです。

他の業界に転職した場合は給与ダウンしてしまうことが一般的ですが、同じ業界内であれば、給与がアップした転職先を探すことも可能です。

ただ、前述してきたような飲食業界特有のきつい労働環境は、業界の構造、慣習に起因しているものですので、劇的な待遇の改善を望むことは難しいでしょう。

飲食から転職する時の注意点とは?

飲食業界からは転職したいという方におすすめなのが、食品メーカーなどの飲食業界です。

食品の仕入れやメニューの開発など食の現場で働いた経験は食品業界で活かすことができます。

20代の飲食業界からの転職

特に給与に不満があった方におすすめなのが、営業職です。未経験可の求人が多いことも特徴です。

例えば、不動産の営業はインセンティブが大きく、契約さえ獲得できれば初年度からでも大幅な給与アップが期待できます。

その代わりノルマの達成など結果が全ての業界のため、上司の当たりが強い、体育会系の職場であることは否定できません。

一方で、製薬会社などのメーカー営業は法人相手、ルート営業のことが多く、ノルマに関しても厳しくありません。

商材への専門知識が要求されますが、20代であれば未経験の求人もあります。

30代・40代の飲食業界からの転職

転職を考える女性の候補に挙がるのが、一般職・事務職です。

オフィスで電話対応や書類作成などを行い、定時で上がれることがほとんどです。長時間労働、少ない休暇日数に不満があった方におすすめです。

非正規の募集が多い点や給与が低い点はデメリットでしょう。

「やめてよかった!」飲食からのおすすめ転職先は?未経験可の業界はココ!

アルバイトの教育などにやりがいを感じていた方におすすめなのが、教育業界です。

進学塾や予備校では事務作業メインなので、座って仕事ができますし、受験シーズン以外は長時間労働にはなりにくいです。

飲食業界

飲食業界と同じく人材不足で深刻なのが、介護業界です。

給与が少なくなる可能性はありますが、飲食業界ほどの労働時間、勤務日数になることは稀です。人とのコミュニケーションが好きな方におすすめです。

食品業界

20代であれば、未経験可の求人が多いIT業界もおすすめです。

エンジニアなどは慢性的に不足しているため、スキルを身につけることができれば、安定したキャリアを築くことができます。

営業職

雇用が流動化し、転職市場が活発化している中で、求人数が増えているのが、人材業界です。

特に、求人数が増えているのが、人材紹介会社のキャリアコンサルタントと呼ばれる職種です。

キャリアコンサルタントは、キャリアに関する面談を行い、そのアドバイスをする職種です。

人材紹介会社のキャリアコンサルタントであれば、現職での悩みや不満、希望する労働条件、将来のキャリアプランなどを聞いた上で、適切な転職先を紹介します。

比較的新しい職種のため未経験可の求人が多い点、転職が成功した際のインセンティブによって給与アップが期待できる点がメリットです。

バックレ注意!飲食店の正社員の正しい辞め方は?

一刻も早く辞めたいからといって、バックレはおすすめできません。働いた分の給与が支払われないなどトラブルにつながりかねません。

しかし、はじめての退職であれば、どのような手順で辞めればいいのか、どうすれば揉めることなく転職できるのか分からない方も多いのではないでしょうか。

基本的には、退職したい日の少なくとも1ヶ月前に辞意を伝えるようにしましょう。

店長など引き継ぎに時間がかかる、代理を立てるのが難しい立場にいる場合は2〜3ヶ月前が理想的です。

また、人材不足で困っている飲食店がほとんどですので、辞意を伝えると「店舗が回らなくなるから辞めないでほしい」「給与をアップするから」「待遇を見直すよ」などの交渉に持ち込まれる場合があります。

退職に関する交渉をする前に、絶対に辞めることを決心しているのか、給与や待遇の改善があれば働き続ける余地があるのか、考えておきましょう。

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